平成8年度は本調査の実施を行なった。小畑は病弱児の病気に関する知識に加え、自己の身体の機能、メタ認知に関する調査を実施し分析した(一部は分析中)この結果、小学校年限だと小学5〜6年の間に、病気、身体に関する知識が増加するとともに構造化されてくるという知見を得た。村上は少数事例の追跡研究から発作的疾患の場合、かなりの程度で発作を予期し、そのための対処行動をとることが認められたとしている。以上の結果から、自然の状態(つまり特別な教育をしない)では、小学校中学年以降において本人に対してのインフォームド・コンセントが得られセルフ・ケア行動も形成が比較的容易であることがわかった。反面年少児に関しては特別な教育が必要であり、一見理解しているようでも表面的な知識にすぎないことも明らかになった。今後はこの年少児に対するセルフケア行動の形成に関して実験的調査を試みたい。
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