病弱児(慢性疾患児)のセルフケア行動の形成のために基礎的研究を行った。研究は発達心理学敵視点とパーソナリティ(認知スタイル)の視点から実施された。この結果、子どもの発達とセルフケア行動の形成に関しては、10歳〜11歳において、病気に関連する知識の発達に大きな変化がみられること。また、そのため、この年齢以前の子どもに対しては通常成人に行うような患者教育が不可能であり、特別な配慮が必要であることがわかった。また、パーソナリティとセルフケア行動との関連では、ローカス・オブ・コントロールを中心とした検討が行われ、病弱児全般に外的統制型が多いこと、また外的統制傾向が強くなりすぎるとセルフケア行動の形成に問題が生じることが明らかとなった。外的統制傾向は、日常的な教育やしつけ、また心理的治療としては帰属療法などがあり、これらを通じて改善が可能である。また病院内学級の教育内容に関する全国調査では、特に普通小中学校の特殊学級として設置されている院内学級において、教員が専門的な知識、情報を得る機会が限られており、セルフケアを目指す患者教育のために改善しなければならないことが示唆された。
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