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1996 年度 実績報告書

幼児の素朴生物学における生気論的因果

研究課題

研究課題/領域番号 07610114
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

稲垣 佳世子  千葉大学, 教育学部, 教授 (90090290)

キーワード素朴生物学 / 病気の理解 / 生気論的因果 / 概念的発達 / 道徳的罰
研究概要

病気に対する体の抵抗力についての幼児の理解を調べるために、ウイルスや細菌により生じる病気として風邪と食中毒をとりあげ、幼稚園の4歳児、5歳児、6歳児各20名に対して、個別面接で、活力源をもっているか否か、栄養や睡眠のバランスがとれている否か、道徳的に悪いことをしているか否かに関して異なる2人の子どもを提示し、どちらの子どもが病気にかかりやすいか、それとも同じかをたずねた。その結果、不十分な摂食や新鮮な空気の欠如によって活力が低下することや体内のバランスをくずすことが、病気への抵抗力を弱め、発病につながりやすいことをどの年齢の幼児も理解していることが明かにされたが、同時に道徳的に悪いことをしたことも病気への抵抗力を弱めると考えていることも明かにされた。
そこで第2実験として、さらに別の4歳児と5歳児各20名に対して、上記と類似の場面で、体内のバランスをくずすという生物学的要因と友達をいじめるなど道徳的な要因とが葛藤するようにして2人の子ども(例えば、普段野菜をたくさん食べるが友達をいじめることが多い子ども対普段野菜を少ししか食べないが友達といつもなかよく遊ぶ子ども)を提示し、どちらがより風邪をひきやすいかをたずねた。さらに誕生パーティに招待されやすいのはどちらの子どもかもたずねた。その結果、4歳児も5歳児も、風邪をひくことに関係しているのは生物学的・身体的要因で、誕生パーティに招待されることに関係しているのは社会的・道徳的要因であることを明確に区別していることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Henry Wellman & Kayoko Inagaki(Eds.): "Children's theories" Jossey-Bass, 160 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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