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1995 年度 実績報告書

高齢化社会における電話コミュニケーションの役割と孤独感

研究課題

研究課題/領域番号 07610119
研究機関静岡大学

研究代表者

諸井 克英  静岡大学, 人文学部, 助教授 (80182286)

キーワード老年者 / 社会的支援 / 電話コミュニケーション
研究概要

老年者の場合の社会的ネットワークの特徴として,身体的老化による社会的活動の縮小化を挙げることができる。身体的移動を必要としない電話コミュニケーションを活性化することによって,そのような縮小化を補償することが可能となる。また,老年者が抱える問題の1つとして社会的支援の低下を挙げることができる。これは,まわりからの支援の受容の困難さに加え,自ら他者に支援行動を取ることの困難さを含んでいる。しかし,身体的移動を伴わない電話によって社会的支援の交換を行うことによって,これまでは対面的に行っていた支援と同等の効果をもたらしていることが推測される。本研究では,次の目的のために,県営集合団地に居住する一般成人女性を対象とした調査を行った。a)老年者に対する社会的支援の提供/受容の様相。b)老年者に対して電話を媒介とする社会的支援の交換の有効性の意識の様相。c)日常生活での老年者との電話コミュニ-ケーションの頻度。
178名の成人女性から回答を得た。因子分析(主因子法,斜交回転)を用いて,老年者との支援の交換の基本的構造を検討した。老年者からの支援の受容では,6因子(ガイダンス,親密さの確認,道具的支援,評価,内面的支援の欠如,共行動),老年者に対する支援の提供では,5因子(ガイダンス,金銭貸与,道具的共行動,親密さの確認・情動的支援・評価,親和欲求充足)が抽出された。また,老年者に対する電話を媒介とした支援の有効性については,7因子(親密さの確認・情動的支援,共行動,道具的支援,金銭貸与支援・世話の欠如,ガイダンス,親和欲求充足・評価,尊重・助言)が得られた。年代別比較では,老年者に対する電話行動については,とくに30代の者が老年の親と電話コミュニケーションを活発に営む傾向がみられた。また,60代をこえる者がとくに道具的支援を受けていることや,電話を媒介とする支援の有効性を高く評価していた。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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