本研究は、様々な対象に統合型HTPを実施し、描かれたアイテムの発達的な推移を研究してきた。その結果、 I.平成7年度までに健常者群の(1)幼稚園、保育園(2)小学2〜3年生(3)小学5〜6年生(4)中学1〜2年生(5)高校1〜2年生(6)大学生、に統合型HTPを実施できた。 II.それに引き続き、平成8年度には(7)成人20〜30代)(8)成人(40〜50代)(9)成人(60代以降)にたいして、統合型HTPを実施した。 III.また、対象者数や性別に関して、各群を40名(男20、女20)にした。 IV.各群を40名(男20、女20)にした理由は、これまで使用してきたチェックリストを見直すためである。これまでに使用してきたチェックリストは、チェック項目が48項目と多く煩雑であった。描画一枚のチェックに多くの時間を要した。また不必要な項目も含まれているように考えられるので、必要十分な項目に絞る目的もあり、新しくチェックリストを作成することにしたのである。 その際、いくつか追加する項目も考えた。つまり、描いた順序をチェックする、描いた絵にたいしてストーリーを作ってもらう、完成した描画から連想をしてもらう、などの項目である。こうした項目を追加することで、統合型HTP法検査をより多面的に考察できると考えられる。
|