研究概要 |
平成7年度に行った研究は、主として容器の図形、および単純な線型図形でまさにそのもののカテゴリー化がどのように行なわれるか、そしてその原型(prototyce)となるものが、どの図形に集中し、またそのカテゴリー化の限界が示されるかを日本,中国,韓国において調査したものであった。 平成8年度に行った研究は、さらにもののカテゴリー化の範囲を拡大させる目的で平成7年度に用いた図形とは異なる自然物,人工物,動植物の属性を変えてみることにより、それらの原型となるものの違いを調べた。 平成9年度に行った研究は、ものの形状により数えること(この場合数助詞がつけられることによって)ものの数え方によるカテゴリー化が上の3地域においてどのように異るかを調べた。 その結果(i)容器類、線横様のプロトタイプ化に各文化圏内で若しくは異なったこと、(ii)自然物,人工物,動植物の図形の判断においては各地域としその原型となるものの認知が異ったこと、(iii)数助詞によるもののカテゴリー化は、何らかの形で形状に対応する数助詞が3ケ国語において異なる種類のものが用いられており、これが図形のカテゴリー化に影響を及ぼしているというこの種の研究では初めての知見が得られた。
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