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1997 年度 実績報告書

高齢者の戦争体験の人生における意味と老年期の適応に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610154
研究機関聖徳大学短期大学部

研究代表者

長田 由紀子  聖徳大学短期大学部, 講師 (70172781)

研究分担者 長田 久雄  東京都立医療技術短期大学, 一般教養科, 教授 (60150877)
キーワード戦争体験 / 回想 / 高齢者 / 太平洋戦争 / ライフイベント / 適応
研究概要

本研究全体の目的は、高齢者が自己の戦争体験をどのように人生に位置づけているかを調べ、その捉え方と適応の関係を検討することである。本年度は面接調査の分析と報告書の作成を行った。面接調査は、1,自記式によるLife Satisfaction Scale-KとGeriatric Depression Scale短縮版(以下、GDSと略す)、2.自記式による日本版STAI(状態・特性不安尺度)、3,戦争の体験を、開戦から終戦までの時間経過表を作成する形式で自由に回想する(録音)、4,否定的体験と肯定的体験に関する質問(録音)、5,自記式によるSTAIの状態不安、6,終了後GDSおよび戦争体験に関する回想・戦争観の質問紙を2〜3日以内に郵送により回収、の手順で行った。分析の対象となったのは61歳〜83歳の男性13名、女性7名の20名であった。主な結果は以下の通りである。
1,面接前後の変化
(1)GDS得点は、面接前0〜8から面接後0〜6点の範囲へと変化し、うつ傾向を示す高得点の低下が見られた。
(2)状態不安は、面接前22〜56から面接後20〜49点の範囲へと変化し、不安の強さを示す高得点の低下が見られた。
(3)戦争の回想・戦争観に関する質問には、面接前(1年前)と面接後で変化が見られた項目・あまり変化の見られなかった項目があった。変化が見られたのは、面接後では、より「戦争体験の回想をするようになったこと」、「戦争による被害意識の低下」であった。
以上より、面接において戦争体験を回想し話すことが、適応効果を高めることが示唆された。
2,戦争体験は個人差の大きい体験であったが、辛い体験も当時は辛いと感じなかった対象者も多い。またその体験を自分なりに意味づけている対象者が多かったが、それは比較的終戦直後から行われていたことがわかった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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