平成7年度は、土浦市立博物館、つくば市桜歴史民俗資料館、谷田部郷土資料館(つくば市)の3館を調査対象として、各博物館の沿革、展示構成、収蔵品、教育活動、組織、予算、入館者数などのデータを収集し、比較したうえで、土浦市立博物館について、博物館を所管する土浦市教育委員会、館長、副館長、学芸員、展示品寄贈者、はたおり教室指導者、はたおり教室参加者、古文書勉強会参加者、一般入館者へのインタビューを実施した。さらに、インタビュー調査を通して得られた結果の分析をもとに、入館者を対象とする質問紙調査、および行動追跡調査を行なった。 調査結果から、博物館が、「開発志向」(教育委員会)、「学術志向」(学芸員)、「地域文化志向」(はたおり教室指導者)、「観光志向」(入館者)というさまざまな志向の交錯する場であることが明らかになった。 7年度の調査から、旧土浦海軍航空隊が土浦市の地域アイデンティティのひとつの核となっていることが明らかとなったことから、平成8年度は、土浦市立博物館、土浦まちかど蔵、予科練記念館(阿見町)の3館を調査対象として取り上げ、それぞれにおける海軍航空隊関係の展示を分析するとともに、それぞれの担当者および入館者へのインタビューを行なった。分析結果については、研究成果報告書とは別に、『戦争と博物館』としてまとめる予定である。
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