「子ども」「おんな」「おとこ」は、論理的には、その原基となる〈人間〉が、概念的実定性を獲得し、歴史のなかで現実的なものとなることにより、初めて析出的に生成されてくる実定的実体である。本研究では、この〈人間〉が概念としても現実としても成立する人口集合上の「環境設定」を究明した。この〈人間〉を現象させる環境設定のもとに、この原基としての〈人間〉の成立のもとに、初めて「子ども」「おんな」「おとこ」の種別性が析出的に生成してくる。 この検討の結果、西欧に特有の、農村工業に足場を置く「機能的市民」による市民革命により、まず〈人間〉が構築され、そのごの資本主義的産業化のなかで、「子ども」「おんな」「おとこ」が種別化されてゆく契機が明らかにされた。
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