平成8年度の主たるは、人口を外生変数としてもつ社会ネットワーク生成モデルを構築することと、日本の都市の人口を与えることによって具体的なネットワークと匿名性を生成すること、そして人口以外の都市のマクロ特性指標の収集とそのデータベース化であった。 社会ネットワークの生成モデルについては、方法的には最近の関連研究に依拠しながら、内容的には親族結合などの社会構造パラメータを考慮したモデルを作成した。ただし、確率過程シミュレーションの安定性に関する問題が残っており、次年度において洗練する必要がある。 他方、都市のマクロデータベースに関しては、データ収集の困難、特に犯罪データの収集の困難があり、当面、県レベルのデータで代替した。都市データの収集も次年度に急がれる課題である。
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