「地方小都市における住民の生活構造と社会的サービス」の研究の一部として、都市の最適規模論を背景的なテーマとし、住民の生活構造や価値観を実証的に把握するために、「田川地域における住民の生活構造と地域生活に関する調査」という表題の調査を実施した。 使用した調査票の内容は、地域での毎日の生活や町内会とのかかわり方、地域の住みやすさの評価などについて尋ねるものであった。調査票を作成する際に重視したことは、第一に、地方小都市の魅力あるいは可能性を探究することであり、また、第二に、地域社会計画などが前提とすべき事柄は何かということなどを明らかにすることであった。これらの点は、来年度において「社会的サービス」の供給体制などについて分析する場合には、その基礎となるものであると考えられる。 調査の対象者は、福岡県田川市内の第2、第5投票区に住んでいる30代及び40代の女性596名であった。そのような対象者を選んだ理由は、より若い世代よりも、地域での生活と個人の生活との結びつきが強いであろうということと、他方では、その世代が、共働きなどの場合に、地域での人間関係や協力関係がどうなっているかを明らかにしたいということであった。 調査は、配票調査法(留置き法)により、平成8年3月21日から26日までに実施された。調査期間内に調査員によって直接回収できない分は、郵送による回収をおこなっており、現在、回収された調査票の整理と分析を開始している。
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