研究概要 |
2か年継続研究の初年度としての本年度の研究実績の概要は、下記のとおりである。 1.研究主題である「追跡調査」に関しては以下のことを行うことができた。 (1).昭和58年度から平成6年度までの12か年間における、宇都宮市心身障害児就学指導委員会での審議対象事例のうち小・中学校特殊学級への就学に関する事例1,016人(就学前幼児373人、小・中学校在籍児童生徒643人)の基礎個人票(I次)を作成した。この作業には多くの時間を必要とした。(2).昭和58年度から平成3年度までの9か年間の審議対象事例は718人であり、このうちから「精神薄弱教育特殊学級入級適」の判断を受けた幼児、児童生徒約500事例を抽出し、I次基礎個人票に追加情報を記入した基礎個人票(II次)を作成した。(3).II次基礎個人票を基に、関係する宇都宮市立小学校36校、同中学校9校の特殊学級及び通常学級担任を対象として現在の学級における適応状況調査を質問紙法で行った。面接調査へ連ねる。 2.特殊学級の教育的機能をより明確にするため次の調査を同時に行った。 栃木県小・中学校において特殊学級担任経験5年以上の教師が配置されている103校(小学校50校、中学校53校)を対象として、(1).「特殊学級経営上の諸問題」を7つの視点から調査した。(2).「特殊学級の役割を如実に示す事例」を調査した。回収率は82.4%である。結果を印刷中。 (3)「意識上の障壁」が特殊学級に対する適正な評価を妨げている。これの解決策への手がかりを得るため、宇都宮市立Y小学校及び小学校児童(小2〜小5年)705人を対象に「特殊学級児童に対する意識調査(10項目)」を行った。個に応じた系統的で緻密な指導計画そして共有体験が必要である。
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