本年度は、3年計画の研究の初年度に当たり、研究を進める上での全体像を構築し広くボランティア活動にかかわる情報を収集することに力を注いだ。 まず、過去のボランティア論についての研究文献並びに調査報告書を広く収集し、わが国における、施設を中心とするボランティア導入の状況について確認した。 また、国立婦人教育会館のボランティアを中心として開催されている研究集会に、企画の段階から参加しつつ、ボランティア側から出されている、施設ボランティアの課題について意見・資料を収集した。さらに、文部省婦人教育課主催のボランティア研究集会、日本青年奉仕協会主催の研究集会などにも参加し、行政・施設・ボランティアそれぞれが、何を目的に、どのように活動(を推進)しており、どのような点が課題になっているかについて広く状況を確認した。その他、いくつかの生涯学習施設並びに自治体におけるボランティア活動の状況についてもヒアリング調査を実施した。また、たまたま研究代表者が在外研究(短期)の機会に恵まれたので、アメリカ合衆国におけるボランティア活動の状況についての資料も収集することが可能になった。わが国とは、そもそも風土が違っており、そのまま参考になるわけではないが、博物館におけるボランティア活動や病院ボランティアの活動など、きわめて興味深い資料を収集し整理している。 このように、本年は、実質的には半年の研究期間しかなかったにもかかわらず、職員論については深めることができなかったもののボランティア活動の全体像についての資料は揃ってきたということができる。
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