本年度は、3年計画の研究の中間年度にあたり、研究全体の方向づけをしたあと、実際にデータを収集することに力を注いだ。 前年度と同様に、過去のボランティア論についての研究・文献ならびに調査報告書を広く収集し、検討を行なった。また、昨年に引きつづき、国立婦人教育会館のボランティアを中心として開催されている研究集会に参加しつつ、ボランティアの側から提起されている施設ボランティアの課題についての意見・資料を収集した。さらに、文部省主催の全国ボランティア活動推進連絡協議会などにも参加し、行政・施設・ボランティアそれぞれが、どのように活動を推進し、その活動のなかでどのような点が問題となっているのかについて広く状況を把握した。 また、国立婦人教育会館のボランティア・行政関係者・新聞記者・大学院生等と研究・調査グループを組織し、『社会教育施設ボランティア実態調査』に向けて、研究会を開催してきている。婦人教育会館・女性センター・博物館(美術館)・図書館・公民館・青少年教育施設などの社会教育施設を調査対象とし、施設ボランティアの実態を問う調査票を作成し、現在、郵送調査の準備を整えているところである。この調査とあわせて、ボランティア個人の意識や活動に関するヒヤリング調査も行なう予定であり、ヒヤリングの内容に関しても検討しているところである。 このように、本年は、これまでに把握してきたボランティア活動の全体像を踏まえつつ、実態調査を手がけることによって、ボランティア活動の実態にさらに踏み込む準備が整ってきたということができる。
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