研究概要 |
ラテンアメリカでは、国連のリーダーシップによる第三世界における開発の問題と不可分に女性教育政策が展開されている。「ジェンダーと開発」の問題は,国際援助受益国としてラテンアメリカの教育政策に影響をおよぼしている。ラテンアメリカで展開されている女性を対象とした教育政策はフォーマル教育,ノンフォーマル教育の分野にわたり,技術・技能訓練や民衆教育まで多種多様であり,その目的も異なり,十分な分析がされていない。本研究報告では,女性を対象とした教育政策の理論的枠組みを形成するための試論として,教育形態と教育目的に沿って5つの類型化を試み,ニカラグアの女性教育を事例研究として取り上げた。 ニカラグアでは,フォーマル教育においては,教育の機会均等政策が取られ,特に女性を対象とした政策は実施されなかった。一方,ノンフォーマル教育では女性の日常の必要性に応える実際的ジェンダーニーズを優先するアプローチが取られている。近年,非伝統的職種への女性の労働市場進出を支援するプログラムが進行しているが,女性の実際的な必要性に応えるとともに,女性解放の方向付けをもつアプローチである。女性解放の方向付けをもつアプローチをどのように展開するのかについて,さらに詳細な分析が必要である。
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