1.1988年教育改革法によって導入されたオプティング・アウト政策は、当初の意図と異なり、労働党が支配する地方教育当局ではなく、保守党が支配する地方教育当局における公費維持学校の離脱をもたらしている。また、地域的にも特定の地域に集中する傾向がある。 2.オプティング・アウトによって国庫維持学校になった学校の多くは、かつてグラマ-・スクールであったものが多く、地方教育当局から離脱し、「自主管理・運営」を可能にすることによって、選抜制学校への回帰が意図されている。オプティング・アウト政策の是非をめぐる議論は、コンプリヘンシヴとセレクティヴを対抗軸とする議論に収斂する傾向にある。 3.個別的査定から「学校のローカル・マネージメント(LMS)への準拠方式」を経て「共通予算配分方式(CFF)」への移行、さらに「全国統一算定方式(NF)」の導入をめざす国庫維持学校に対する財政措置の変更は、オプティング・アウトの財政的メリットの縮小をもたらし、同施策の推進力を低下させている。
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