研究概要 |
本研究の進展に伴い,対象とする「公立諸大学」を,旧来の「公立大学」に限らず,「地方政府(地方議会及び地方行政府)が地方における教育・文化・学術・産業等の情報基地機能を発揮させるために,当該地域に位置する大学の研究教育及び/又は管理経営に直接・間接に公的な支援を与えるとき,それらの支援を受ける大学」へと必然的に拡大するに至った.平成7年度の地方政府に対する調査結果は以下の通りである. 1.Internet及びBBSを活用して,研究調査の協力者を募り,地方政府関係の情報の蒐集及び相互交流をおこなった.地方議会議員に地域情報政策のもつ重要性が理解されているかどうかは疑問であり,いまだ情報化社会に対する基本認識すら浸透しているとは言いがたい.この点は国会議員においても同様であることが判明した. 2.特徴ある公立諸大学を擁する自治体に赴き,情報政策関係の資料の閲覧及び収集を行った.地方行政府の情報化施策は地域振興政策や危機管理施策や教育行政の一環に関連づけて考えられている.特に神戸市の事例では,市立大学が阪神淡路大震災の発生時における地方政府(神戸市)の震災情報の受発信機能を担った. 3.私学に関しては,芦屋大学(兵庫県)の情報化の事例では,学内情報化施策が地域社会の情報化と密接に結びつくことが,また奈良大学(奈良県)の事例では,地域情報化をあらかじめ組み込んで学内情報化を推進することにより,地方政府の情報政策の先導的な試行役を果たす可能性があることが指摘される. 4.国内外の研究者との研究連絡及び研究資料等の交流に関して,Internet及びBBSを利用するため,大型計算機センター及び日本の大手パソコン通信ネットのIDを取得し活用した.しかしまだ,研究協力者を国外及び国内全域に持つには至っていないので,更に参加を呼びかけたい.
|