1.研究の進展状況:学校と企業の連携関係に関する基本的な文献・資料の購入・収集を行ない、連邦教育省やいくつかの州の政策資料、教育法規、研究調査資料、報告書等を購入・収集した。オハイオ、ミネソタ、ウィスコンシン及びシカゴの州及び市の教育局を訪れる機会を得て、関係者との面談及び関係資料を収集し、面談の結果をテープに収録した。 2.新たに得られた知見:ミネアポリス市の総合制ハイスクールの構想は、公立学校とミネアポリス市動物園との連携関係に立つ教育プログラムを開発し、学校内外の教育資源と学習の機会を統合する新しいタイプの総合制ハイスクールの理念を構築するものとして注目に値する。またオハイオ州のキャリア職業教育が、下は初等教育から始まって、上はハイスクールの卒業に至るまでの首尾一貫した個別的なキャリア・プランに基づき、キャリア・パスポートを卒業時に手渡すユニークな制度を発足させている。 3.今後の研究の展開に関する計画:教育の連携政策に極めて熱心ないくつかの州及び地方学区を選び、関係資料を収集・分析し、事例研究を行う。この事例研究では、連携組織の性格に応じて、相談や助言を中心とするコンサルタント的な限定的な連携組織、学校と企業の養子縁組のような連盟組織、パートナーが対等な立場に立って資源を共有し、継続的な協力活動を営む協働組織の三つに区分し、その各組織の(1)沿革と背景、(2)理論と政策、(3)組織と特徴と資金源、(4)評価と問題点について比較検討を行なう。
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