1.研究の進展状況:昨年度に続き、学校と企業の連携関係に関する基本的な文献・資料の購入・収集を行い、連邦教育省や昨年度訪れたオハイオ等の、いくつかの州の政策資料、教育法規、研究調査資料、報告書や収録した面談テープ等を分析した。 2.新たに得られた知見:1994年に制定された連邦法「就学から就職への機会保証法」に盛られた連邦政府の教育政策とその理論は、1970年代に展開されたキャリア教育運動の反省の上に立って、その構想する「就学から就職への機会保証」の全体構造の下に、以下に示す全国的なモデル造りを展開している。またオハイオ州のキャリア職業教育が、下は初等教育から始まって、上はハイスクールの卒業に至るまでの首尾一貫した個別的なキャリア・プランに基づき、キャリア・パスポートを卒業時に手渡すユニークな制度を発足させている。 3.最終年度の研究成果報告書のまとめ:連邦政府の推進する「就学から就職への機会保証」の全国的なモデル造りを、「学校を基盤とする学習」、「仕事を基盤とする学習」及び「両者を結びつける諸活動」の三つに区分し、各モデルごとに事例研究を行い、その各組織の(1)沿革と背景、(2)理論と政策、(3)組織と特徴と資金源、(4)評価と問題点について比較検討を行って、研究成果報告書『学校と企業の連携に関する基礎研究〜アメリカの中等教育を中心に〜』にまとめて刊行した。
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