研究概要 |
本年度は,最終年度としての総括を報告書としてまとめた。主な構成は,学習障害児等への教育的支援に関する最近の動向についての概説(初年度の研究分担者である森永が担当),T.T.の障害児教育分野における実際の取り組みに関する概観(寺山が担当)と文献検索による報告等の分析(今年度の研究分担者である東條が担当),そして初年度から継続しておこなわれてきた評価票の作成とその適用に関する報告(篠田が担当)と評価票を用いた実践例からなる。 第1回目の調査では,特殊学級等を対象に,試案として作成された評価票を用いた検討が行われ、つまずきを発見する視点が得られたといった回答が寄せられた。その試案では,T.T.が有効に機能するためのキ-として,1)児童生徒感に関する共通の理解,2)指導内容・方法に関する共通の理解,3)各教師の個性に関する相互理解,4)各教師の役割に関する共通の理解と柔軟な遂行の4つの点を考慮し,<1>学習内容・学習課題に関する評価項目,<2>教材・教具に関する評価項目,<3>教師の協力体制に関する評価項目を設けたものを用いた。その後,ワ-ディングの修正,項目の配列の変更,評価内容の明確化,評定法の修正(プロフィール化)を施した改定版を作成した。さらに,異なる科目場面での評価,役割交換による評価,第三者による評価といった評価手続きの検討を加え,第2段階の検討を進め,その一部の結果を第34回特殊教育学会にて報告した。今年度の特殊教育学会にて続報を報告し,一連の研究を基礎とした実践例の検討を進める予定である。
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