研究課題/領域番号 |
07610305
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
松田 直 群馬大学, 教育学部, 教授 (60099942)
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研究分担者 |
川住 隆一 国立特殊教育総合研究所, 室長 (20124208)
原 美智子 群馬大学, 教育学部, 教授 (60096625)
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キーワード | 重度・重複障害児 / 教育的係わり / 運動負荷 / 呼吸状態 / パルスオキシメーター |
研究概要 |
病虚弱な重度・重複障害児について、背臥位での安静状態から座位へ移行させて係わった場合、トランポリン上で背臥位で揺らした場合、同じく座位で揺らした場合などの運動負荷条件で、呼吸状態の測定をパルスオキシメーターを用いて行い、測定場面をビデオカメラで録画した。対象児は17名で、そのうち13名には身体的条件として、気管切開(1名)、舌根沈下(1名)、喘息(9名)、顕著な息止め(4名)など、呼吸状態に問題がみられた。17名について延べ39回の測定(一人につき1〜5回)を行った。測定場所は、肢体不自由児通園施設の指導室、重症心身障害児病棟のベッド上、教育相談施設のプレイルームであった。 本研究で明らかになった主な点は以下のとおりである。 1)トランポリン上での子どもの体の揺れの大きさ(運動負荷の大きさ)を、加速度トランスデューサおよび加速度ヘッドアンプを通して3次元で量的に捉えることが可能となった。その記録としてパルスオキシメーターによる呼吸状態の記録、およびビデオ記録とを照合することにより、教育的に適切な揺れの大きさについてケースごとに検討することが可能となった。 2)対象児の障害状況は多様であり、また過度の運動負荷を与えることは許されないことから、測定条件はケースバイケースとならざるを得ないが、今回の測定の限りでは、(1)気管切開をしている子どもの呼吸状態は良好である、(2)舌根沈下と喘鳴の顕著な子どもは呼吸状態が不安定であり、運動負荷を与える際には細心の注意が必要である、(3)喘息が顕著な子どものなかには、僅かな運動負荷で呼吸状態が不安定になるケースがある、(4)息止めの顕著な子ども(いずれもレット症候群)は、呼吸状態がほぼ安定している。
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