研究課題/領域番号 |
07610327
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮地 正人 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70011327)
|
研究分担者 |
小野 将 東京大学, 史料編纂所, 助手 (70272507)
松本 良太 東京大学, 史料編纂所, 助手 (10209661)
横山 伊徳 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (90143536)
|
キーワード | 幕末維新 / 瓦版 / 摺物 / 情報 |
研究概要 |
平成8年度において基本的に作業が終了したのは、東北大学狩野文庫所蔵の摺物史料である。史料編纂所が購入した同文庫マイクロの中から、摺物関係の部分の焼き付けをおこない、一点毎の点検を経て、目録作成のための必要諸事項を確定した。特に注目すべきものとしては、江戸を主とする祭礼番付および各種の番付集がある。ただし、後者に関しては、史料編纂所・国立国会図書館・三井文庫等の同種の史料との厳密な比較・対照作業を行い、作成年代を確定する仕事を年度内に完了させることが出来なかった。また、摺物の作成年代を明らかにする上で必要な良質の風説留として、同文庫史料の中より鉄砲百人組与力中村九左衛門筆記の「書留草紙」全42冊を見いだすことが出来、詳細な内容検討をおこなった。 国立国会図書館所蔵史料に関しては、平成7年度よりの作業を継続し、ほぼ全体をカヴァーすることが出来た。特に小寺玉晁の寺社縁起コレクションの調査・撮影は、我々の研究における大きな収穫であった。 平成8年度の当初計画では、都立中央図書館所蔵史料の調査を完了させ、併せて東大総合図書館・大阪府立中島図書館・柏崎の黒船館の調査に入る予定であったが、都立中央図書館の所蔵摺物は、予想を超える量・質のものであったために、平成8年度の調査は同館が中心とならざるを得なかった。同館は、本来的に江戸・東京関係の諸史料を蒐集する機関であるとともに、大正天皇即位記念として、関東大震災以前でなければ不可能だったと思われる、東京に関する貴重な諸史料を大量に蒐集している。更に激化する空襲に備え、諸所蔵者からの諸史料を購入・保存する措置を執った。このような性格の摺物史料なので、悉皆調査を行うこととし、平成8年度には、加賀文庫の関係史料の総てを調査・撮影し、また「東京誌料」所収史料の調査を終了、その半ばを撮影、更に「特別文庫」所収史料の調査を進行させている。
|