研究概要 |
三ケ年計画の最初の年であるため,基礎作業を中心に行った。1989年に刊行した『豊臣秀吉文書目録』に収録されなかった文書の蒐集・整理につとめ,500点以上をまとめ,『補遣1』として本年3月に刊行できた。多くの新知見を得ることができたが,この点は今後発表していく予定である。史料調査のため東大史料編集所・内閣文庫・国立国会図書館・大阪城天守閣に何回か赴き、悉皆調査をほぼ完了した。このほか,福岡市博物館,柳川古文書館・名護屋城博物館・兵庫県立博物館・金沢市立博物館(加越能文庫)などの調査を行った。全国的な史料調査は来年度も継続して行う予定である。刊行物から採録できるものについても鋭意調査を行った。グラビアに写真が掲載されているものは,併せてそれも蒐集した。1998年により刊行を目指している『豊臣秀吉文書集』の準備のため,全国各地の研究者と,史料調査の折や学会の席上などで意見を交換することもできた。蓬左文庫などの御好意により,所蔵史料の写真複製を入手することも出来た。無年号文書の年代比定などの作業は遅々として進まない状態にあるが、今後とも継続して行い,古文書学的研究を深めていきたいと思っている。
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