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1997 年度 実績報告書

瀬戸内海地域における市(いち)と町(ちょう)の成立と展開〜近世都市の社会史的・歴史地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610333
研究機関広島大学

研究代表者

中山 富広  広島大学, 教育学部, 助教授 (50198280)

キーワード町組 / 小路 / 年寄 / 月行司 / 問屋制
研究概要

本年度は最終年度であったため、新たな調査はおこなわず、史料の読解と報告書の作成をおこなった。その内容は以下のとおりである。
1.尾道の都市空間と町の成立について
(1)中世後期の尾道の都市的集落の発展はめざましいが、それは門前空間に市場が付属しながら発展した。
(2)戦国期から近世初頭にかけて、海岸部の埋め立てが進み、そこにのちの自治を担った新たな商人群が登場し、門前空間としての性格は後退していく。
(3)そして都市空間は町・(小路)-町組-惣町の重層的構成となり、都市民の統合が達成されていった。
(4)1610年代になると年寄5名と月行司60名の体制が成立し、自治組織は整備され、町の開発も進行した。
2.都市民の経済活動について
(1)瀬戸内の港町で17世紀半ばに問屋仲間が公認されていったのは、国家的「役」負担に対する反対給付と治安対策的側面が強い。
(2)尾道において問屋仲間の成立は明確にしえないが、17世紀の段階では問屋的商業はすでに成立していた。
(2)18世紀に入ると、尾道では各種の商人仲間を中心として、商品及び金融取引が発達し、また自治組織も一段と整理されていった。それは尾道における近代的商業の出発点と評価されるものであろう。
もちろんこれは中間報告であり、今後も中・後期を中心に研究を進めていきたい。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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