この研究は、近年急速に活発化しつつある中世東国水運史の研究をさらに前進させることを目的としている。そのために、(1)研究史の整理を行うこと、(2)史料を蒐集・整理し、史料集を作成すること、(3)調査研究にもとづき論文を作成すること、以上3点を計画、目標にして努力を積み重ねてきた。(1)については、峰岸純夫・村井章介編『中世東国の物流と都市』山川出版社、1995年の中に「中世東国水運史研究の現状と問題点」を発表した。(2)については、史料蒐集とコンピューター入力を行っているが、今日に至るまで未完成である。(3)については、研究成果の一部を発表するに留っている。将来、(1)(2)(3)に文献目録を加えて一冊の研究書として刊行しようと努力している。この度は、上記の研究史整理に、その後に発表された研究論文を加えて補訂したものを提出することにした。なお、コンピューター入力について技術的に解決しなければならない問題や入力の技術者の確保など検討中である。出版社にも折衝している。
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