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1995 年度 実績報告書

宗教行事からみる近世の都市機能について

研究課題

研究課題/領域番号 07610346
研究種目

一般研究(C)

研究機関立正大学

研究代表者

北村 行遠  立正大学, 文学部, 教授 (30103170)

キーワード居開帳 / 開帳の開催場所 / 江戸出開帳 / 都市における信仰空間
研究概要

近世の江戸における寺社開帳の開催場所についてその地域的特徴は、隅田川をはさんだ浅草、本所、深川の地域を中心として展開していたとされている。しかし、居開帳と出開帳とにわけて、その開催場所を詳細にみていくと、必ずしもそうとはいえない面もある。
出開帳は他国・他地域の寺社が開帳場を江戸に求めて出張して行う開帳であるから、興行上の観点から好条件の場所を開催場所に選択することはある程度自由であるが、居開帳はその寺社の所在する場所での開帳であり、開帳場所を選択することはできない。このように、出開帳と居開帳とでは、その開催場所について条件が異なっており、そこに出開帳と居開帳との開催場所についての差がみられるのである。
出開帳についてみれば、その開催場所は浅草、本所、深川の3地域でもっとも多く、この3地域で江戸出開帳の60%以上が実施されており、確かに江戸開帳のメッカといえる。しかし、居開帳については必ずしもそうではなく、その開催は比較的江戸の各地域に分散して実施されていることがわかる。芝・三田・品川地域での居開帳がもっとも多く、次いで多い地域は浅草、大塚・音羽、本所などで、深川地域での居開帳は最も少ない。浅草、本所などの地域では出開帳、居開帳とも盛んであるといえるが、出開帳の開催場所との大きな違いは、芝・三田・品川地域や大塚・音羽地域で居開帳が盛んであることであり、また深川地域での居開帳が少ないことである。
居開帳の開催場所についてのこうした地域的特徴は、それらの地域に所在する寺社の絶対数の多少にもよろうが、出開帳の開催場所の地域的特徴とどう異なるのか。またこの相違は何を意味するのか。出開帳と居開帳とに性格の違いがあるのかということなども考え併せながら、こうした地域的特徴の差を次年度継続して研究していき、都市における信仰空間の地域的特徴を明らかにしていきたい。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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