1、年度当初にパーソナルコンピュータおよびスキャナを購入し、それらを利用して、課題にかかげた研究を遂行すべく準備を重ねた。重点をおいたのは、資料類をコンピュータの電子情報として整理する際、いかなる方法が効率的であるかを探り、次年度以降の研究に結びつけるかの実験である。 2、まずスキャナで資料類を読みとり、応用ソフトウエアを使用してそのテキストファイルへの変換を試みたが、変換率が悪く、まだしも直接入力する方が効率的であることが判明した。 3、既存のデータベースをどこまで利用できるかを調査するため、パソコン通信、インターネットあるいはNACSISなどによる情報収集に努めたが、残念ながら当該研究に有益なデータベースはいまだ公開されていない。可能性としては、東京大学史料編纂所や国立歴史民俗博物館などで作成中の記録類の全文データベースが利用できると思われたが、オンラインでの公開はされていないので当該研究期間中の十分な利用は不可能であると判断した。 4、現在の技術水準では、スキャナは資料類の画像ファイルとしての読みとりのために利用すべきである。画像のまま保存するために、保存データが非常に大きくなり、増設ハードデスクなどが新たに必要となった。画像のままでの保存は検索が困難となるので、別にそれらを検索するためのデータベースを構築することが必要となる。 5、すでに資料収集がされてある公卿議定などのデータを用い、それをさらに研究補助者の援助をえてコンピュータへの入力のための準備作業(項目別の整理)を行った。どのような項目を抽出すべきかについて試行錯誤をくりかえした。よって、来年度の研究のための準備がほぼ完了した。
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