本年度は、次のとおり、基礎的史料の調査収集を行ったほか、必要機器を調達し、研究の進展のため、環境の整備を行った。 1.史料の収集・調査 北海道に所在する町村役場等(虻田群留寿都村・浜益群浜益村・上川群当麻町・登別市・北海道後志支庁)の文書について、保存状態を調査した。また、町村行政を把握するための基礎資料として、文書史料の体系を把握するために、保存文書及び廃棄文書目録の収集を行なった。収集したのは、留寿都村保存文書目録・浜益村郷土資料館所蔵文書目録・当麻町簿冊台帳・同文書廃棄目録・幌加内村事務引継書・岐阜県中島郡大須村戸長役場諸帳簿目録・同連合役場へ引渡残帳簿目録である。このほか、山梨県下町村役場文書、岐阜県大野郡高山町所蔵文書の調査に従事した。 2.史料、目録のデータベース化 パーソナル・コンピュータによる史料及び目録入力の環境整備、データ・ベース化の設計などの準備を行っている。 3.研究の発表 本年度は、『永井秀夫教授退官記念論文集』に「北海道区制、一・二級町村制の成立」を提出した。また、『史料館研究紀要』第26号に「北海道二級町村制についての考察 -北海道一級町村制各条項との比較など-」を発表した。いずれも、北海道の制度にかかる考察であるが、同時に沖縄の制度との共通性にふれたものである。
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