本研究の目的は、考古学において動物遺存体を研究する上で必要となる基礎的資料を作成することである。その基礎的資料とは、1)考古学者や動物学者等によって報告された動物遺存体のデータベースと2)骨格図の画像データベースである。当初は1)と2)の両方を研究する予定であったが、画像データベースの準備が所期の目的の実現には骨格標本が十分でないことから、成果報告書は1)のみでまとめることにした。なお、2)の研究は今後、骨格標本の充実をはかりながら、さらに動物学研究者との連携をとりながら継続して行う予定である。 動物遺存体データベースは時代を縄文時代に限定してデータを収集した。また、今年度はこれまで収集できなかった文献を収集し、かつデータの入力を行った。それから、このような登録作業と平行して、研究協力者と共に項目の検討やデータベースの活用方法について討議した。さらに、これらのデータは研究協力者によってチェックされた。このようにしてこれまでに登録したデータ数は文献データベースでは1089件であり、また遺存体データベースでは1293件である。なお、これらデータの中には平成3年度の科学研究費奨励研究(A)の研究成果である494件のデータも含まれている。今回は予算の関係からすべてのデータを成果報告書の中に掲載することはできなかったが、700件のデータを掲載することができた。なお、今回掲載できなかったデータや不足データについては近い将来に公開型データベースとして公表していく予定である。
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