平成7年度の研究計画を1.徹底した銅鐸の所在調査。2.それぞれの銅鐸に関する文献・写真検索。3.写真撮影・実測図の作成。4.1・2・3のデータ入力、というように掲げ、研究を進めてきた。 研究計画の1・2については、各都道府県ならびに市町村の教育委員会・埋蔵文化財センターなどに協力を仰ぎ、九州の銅鐸鋳型の資料も含め銅鐸分布域の約三分の一の資料について整理を完了した。中でも今年度は、銅鐸の所在調査に力を入れてきたが、その結果、これまでに学界に知られていなかった3個の銅鐸を発見することができた。このうち1個の銅鐸については、和歌山県那賀郡粉河町から出土した可能性が極めて高いことをつきとめた。その他のものについては、現在、出土地の確認作業を継続中である。なお、この所在調査ならびに文献・写真検索などのために関西ならびに九州地方に出向き、関連資料の調査もあわせて行った。 研究計画の3については、各方面からご協力をいただき、13個体分の銅鐸の写真実測を行った。現在、その資料化に努めているが、この結果、正確な実測図を作成することができたとともに、これらの埋納状況を復元することが可能となった。 研究計画の4については、Macintosh画像処理システム一式を購入し、それぞれの銅鐸の写真・実測図および各データの入力作業を進行中である。 以上、現在までのところ順調に銅鐸のデータが蓄積されている。
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