平成9年度の研究計画を1.徹底した銅鐸の所在調査、2.各々の銅鐸に関する文献・写真検索、3.写真実測による実測図の作成、4.1・2・3のデータの入力、5.報告書の作成、というように掲げ、研究を進めてきた。 研究計画の1については、各都道府県ならびに市町村の教育委員会・埋蔵文化財センター等に協力を仰ぎ、ほぼ終了することができた。その結果、550件を超すデータを集積することができたとともに、出土地不詳のものや出土地が混乱しているもの、また所在不明のものなど、今まで未確定であった銅鐸の戸籍を整理することができた。2については、文献検索は終了したが写真が入手できないものがまだいくつか残っている。これは文献に銅鐸発見の記事や伝承のみが残っている例が相当数あることにも起因する。3については、経費と時間の関係から入手し得えたデータは全体の約1割に過ぎない。これは写真実測にかかる経費が膨大なものとなり、今回の研究費ではそれを行うことができなかったためである。しかし、各方面からの協力によって、わずかではあるがそれを果たすことができた。4・5については、これまでに入手し得た各データの入力を終了し、報告書の作成を完了した。 今後はこのデータベースを補充・拡充し、銅鐸研究の基礎資料を広く学界に提供するととも自らの新しい銅鐸研究に役立てていきたい。
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