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1995 年度 実績報告書

掘立柱建物の耐用年限に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610411
研究種目

一般研究(C)

研究機関近畿大学

研究代表者

大脇 潔  近畿大学, 文芸学部・文化学科, 助教授 (40000509)

キーワード式年遷宮 / 随破修理 / 掘立柱腐朽例 / 小墾田宮 / 前期難波宮 / 飛鳥浄御原宮
研究概要

1.現在及び過去において式年遷宮を実施していた伊勢神宮・鹿島神宮・香取神宮・出雲大社・諏訪大社・宇佐神宮・宗像大社・赤城明神社・貫前神社における式年造替の実態と、柱の腐朽状態について実地調査した。その結果、現在も式年遷宮を継続的に実施している神社では、20年程度では柱の根元に顕著な腐朽は認められないことが判明した。特に地表に小砂利を敷きつめたり(石敷・バラス敷)、周囲に溝を設けたりして排水に留意した敷地造成を行った場合、柱は実質的には30〜40年以上機能することが判明した。
2.各神社における式年遷宮の歴史を調査すると、特に中世の時代を中心に造替の実施が困難な時期があり、およそ60年間程造替が途絶え、逐に倒壊に至ったという例も見受けられることが判明した。柱の材質や周辺の環境などによる多少の変異も考慮しなければならないが、径1尺程度の柱でおよそ30年、それ以上の直径をもつ柱は40年から50年に及ぶ耐用年限を有することが判明した。したがって、およそ20年という式年遷宮の年限は、柱の耐用年限から導き出されたもではなく、別の要因、例えばすでに指摘されているように、建築工事に従事する工匠の技術の保持等に密接に関係して成立したものと考えられる。
3.平成8年度は、以上の調査成果にもとづき、古代の宮殿・官衛遺跡における出土例の検討を加え、報告書を作製・発表する予定である。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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