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1996 年度 実績報告書

石器組成の検討による縄文文化確立期の生業活動の復元的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610415
研究種目

基盤研究(C)

研究機関奈良県立橿原考古学研究所

研究代表者

松田 真一  奈良県立橿原考古学研究所, 資料室, 総括研究員 (60250362)

キーワード縄文時代草創期 / 縄文時代早期 / 石器組成
研究概要

平成8年度では西日本各地域の草創期から早期の遺跡の中から時期的な限定が可能な資料を中心にしてデータ収集に努めた。九州地方では上の原遺跡や瀬田裏遺跡などをはじめとした熊本県で、石器組成の内容が明確でしかも数量的にも十分なものが多く、同時期の遺跡との比較が可能な資料が多く存在した。また宮崎県丸野弟2遺跡や佐賀県牟田辻遺跡では磨石など食物粉砕具の占める割合が多く、特徴的な石器組成の様相をもった遺跡が抽出できた。鹿児島県では近年になって加治屋園遺跡、塚ノ越し遺跡、掃除山遺跡など薩摩火山灰層下から相次いで縄文時代草創期の遺跡が発見され、また早期の加栗山遺跡、榎崎B遺跡をはじめとして該当期の資料はほかの地域に比べて大きく増加した。しかも遺跡間における石器内容に違いを見いだすことができ、得られたデータを立地や環境との関連で捉え直すことが可能になりそうである。一方近畿北部から北陸西部地域では鳥浜貝塚や岩の鼻遺跡など石器内容が把握できる遺跡もあるが、全体として遺跡数も少なく内容に乏しいのが現状である。なお四国では高知県で新たに細石器を伴う草創期の遺跡の存在が明らかになり、この地域の石器様相の変遷を再考する必要が生じてきている。
今年度は昨年度で収集した資料をも含めて、遺跡毎あるいは遺跡内の時期毎に石器器種別数量を集計してデータベースを作成した。未調査地域の資料収集は来年度も継続し、各地区における時期毎の石器組成の特徴を見い出し、遺跡を取りまく環境と生業との関係を探る基礎資料を作り上げる予定でいる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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