平成7年度から平成9年度にわたる継続研究であり、今年度中に研究の概要を決定する必要があった。そこで、研究成果報告の際の『古鏡図録』製作を最も重要な視点と考えて、計画を実行することにした。 第一に県内出土銅鏡資料の紙焼き、カラーポジフィルムの収集を行った。その結果、紙焼きについては約230面、ポジフィルムについては約10面分を入手した。 この資料をもとに銅鏡一面毎の具体的な記述を始めている。これをカード化し、当研究所のコンピューターを利用して紙焼き資料の画像入力を伴った県内出土鏡のデータベースを作成する予定である。 第2の作業として、当研究所所蔵銅鏡資料(約120点)の写真撮影を行った。数年来、当研究所の所蔵資料は、銹落しを中心に保存処理が行われている。保存処理後の写真が撮影されていないものが大半である。銹落しの結果、文様も鮮明になったものも多くあり、これまでカラー撮影されていなかったものも数多くあった。したがって、研究報告を行う際にも、カラー写真で行うことが望ましいと考えて、今後の調査研究においても、できるだけカラーポジフィルムによる写真撮影を行う予定である。 実測、拓本については、計画当初に考えていたよりも実行が難しく、対象の大半は計測等で終了することになりそうである。 県内出土鏡に関する文献収集も継続して行っており、まだ収集状況は全体の2割程度と思われる。
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