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1997 年度 実績報告書

格助詞体系の歴史についての文献・方言対照的方法による研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610417
研究機関東北大学

研究代表者

小林 隆  東北大学, 文学部, 助教授 (00161993)

キーワード格助詞 / 国語史 / 文法史 / 方言 / 『方言文法全国地図』 / サ / 東北方言 / 周圏分布
研究概要

この研究は、文献と方言との対照から、格助詞の歴史について考察するものである。
今年度は、まず、「に・へ」格について、東北方言として顕著な特色を示す「サ」の用法を、宮城県の一地点において補充調査し、年代差に注目した最近の変化の様子についても調べた。その結果、「サ」の用法は「ヘ」格の領域をはるかに越え、「に」格の領域に相当に広がっていること、かつ、この方法での拡張は、若い世代においても、「存在の場所」や「受身の相手」指示の用法において、進行中であることなどが明らかになった。
また、「サ」の場合に限らず、文法形式や語彙形式を広く見渡すと、東日本の地域が、かつての中央語を受光すると同時に、それらを自ら再生し、新しい形式として急速に普及させるという、方言形成のひとつのパターンが存在することが明らかになった。これは、日本語方言における、代表的な分布類型である東西差の成立の解明にとって、今後、重要な視点になりうるものである。
今年度は、研究期間の最終年度にあたるため、3年間で得られた知見を整理し、報告書にとりまとめた。なお、当初の計画では、格助詞体系の全体を扱う予定で作業を進めてきたが、資料整理や考察が行き届かず、結果として、一部の格助詞を中心とした報告に留めざるを得なかった。研究を継続し、近いうちに、格助詞体系の全体に迫る結果をまとめたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小林 隆: "方言形成史の一視点-東日本における畿内中央語の再生について-" 『国文学』. 42・7. 13-20 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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