• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

デロレン祭文の語り物伝承についての基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610426
研究種目

一般研究(C)

研究機関埼玉大学

研究代表者

兵藤 裕己  埼玉大学, 教養学部, 教授 (90173202)

キーワード語り物 / デロレン祭文 / 口頭的構成法 / 決まり文句 / 旋律型 / 座頭琵琶 / 五色軍談
研究概要

山形県内陸部にいまも伝承されるデロレン祭文について、とくに十三代目計見八重山(本名、山口左仲氏、東置賜郡白鷹町)の伝承を中心に考察した。同氏の公演に立ち会ってフィールド調査を行い、録音・映像資料を作成するとともに、各地の教育委員会(公民館)、個人等が所蔵する過去の伝承者(複数)の録音資料を入手した。目下、それらをテープから字起こしして、語りの定型的要素すなわち決まり文句(フォーミュラ)と旋律型(メロディ・タイプ)の析出を試みている。定型的要素の現れ方を検討することで、デロレン祭文における口頭的構成法(オーラル・コンポジション)の仕組みについて検討している。
デロレン祭文の隣接芸能として、とくに九州の座頭琵琶や北陸のチョンガレ(五色軍談)について比較・検討した。オーラルな語り物には、大別して叙事的/場面構成的という二種類の演唱ヴァージョン(語り口)がある。それを適宜使い分けて、語り手はさまざまな語りの機会に柔軟に対応するのだが、そうした語り口がデロリン祭文にも共通することを、今回ほぼ確認することができた。
東北、北海道、および九州各地の図書館で郷土史関係の資料を調査し、かつてのデロレン祭文の全国的伝播の実態について調査した。とくに北海道南部(江差周辺)のニシン場が、デロレン祭文の有力な伝播圏であったことは、今回はじめて知ることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 兵藤裕己: "太平記(よみ)の可能性-歴史という物語-" 単行本、講談社選書メチエ61. 1-278 (1995)

  • [文献書誌] 兵藤裕己: "神話と諸職-中世太子伝・職人由緒諸など-" 斎藤英喜編"日本神話、その構造と生成"(有精堂刊). 244-261 (1995)

  • [文献書誌] 兵藤裕己: "屋代本の位相" 国文学・解釈と教材の研究. 40-5. 76-82 (1995)

  • [文献書誌] 兵藤裕己: "武家神話としての平家物語" 歴史読本. 5月号. (1996)

  • [文献書誌] 兵藤裕己: "口承文学総論" 岩波講座日本文学史. 16. (1996)

  • [文献書誌] 兵藤裕己: "祭文語り" 岩波講座日本文学史. 16. (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi