源氏能の内容分析の基礎的前提として、源氏能の詞章と『源氏物語』青表紙系・河内本系・別本の諸本の本文との比較検討を進めつつある。 『源氏物語』の諸本についても、近年、翻刻・注釈・影印の刊行や、そのデータベース化も進んでおり、勉誠社刊行の『源氏物語』自立語語彙総索引のデータベースと、それを起動させるパソコンを購入した。 また青表紙本系の三条西家証本(日本大学蔵)の影印など、未購入のものを、基礎的な資料として暫時揃えつつある。 源氏能の詞章に深い影響を与えたとされる中世源氏梗概書や中世連歌寄合との異同や影響関係の調査についても、現在資料を収集中である。 目下のところ、源氏能の詞章と『源氏物語』青表紙本系・河内本系の諸本の本文との比較検討を進めつつあるが、『源氏物語』の別本の本文比較は未着手であり、おうふう社刊行の『源氏物語』別本集成を購入し、さらに作業を進めたい。 なお翻刻されていない中世源氏梗概書と源氏能の比較が、今後の課題であり、この三月初旬に天理への調査旅行をおこない、天理図書館蔵の『源氏小鏡』『源氏大鏡』と謡曲の詞章と比較検討する予定である。
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