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1995 年度 実績報告書

奈良・円成寺の古文書・縁起類の調査と研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610435
研究種目

一般研究(C)

研究機関明治大学

研究代表者

日向 一雅  明治大学, 文学部, 教授 (90079426)

キーワード円成寺縁起 / 知恩院縁起 / 縁起 / 迎講 / 浄土教文化
研究概要

今年度の研究の実績は以下のとおりである。
円成寺住職田畑賢住氏の許可を得て、円成寺縁起・弥陀霊応記・知恩院縁起の写真撮影をすることができたのは幸いであった。この内、円成寺縁起・弥陀霊応記は内閣文庫に明治十年写しの写本があることを確認した。奥書に「明治十年一月巡回之節謄写 内務省御用掛従六位岡谷繁実」とあり、原本が漢字平仮名交じり表記であるのに対して、漢字カタカナ交じりの表記であるという違いがあるが、内容は正確である。知恩院縁起については他に伝本の確認はできていない。
円成寺縁起は聖武天皇の御願によって開創されたという縁起から、寺勢頽廃の後に中興の事、迎講の由来などを記し、弥陀霊応記は当寺の僧侶の伝を記す。その中で迎講の記事はこれが大変盛大に行なわれたことを窺わせるもので興味深いが、記述は今昔物語集の説話と似ている点がある。知恩院縁起は三巻から成り、綺麗な絵入りの巻子本であるが、この縁起の発見のいきさつの記事は異色である。いずれも翻刻を進め、内容の検討をしている段階である。
また迎講に関わる研究として「中将姫説話覚書」をまとめた。中将姫説話は当麻曼茶羅の織成譚の縁起であるとともに、当麻寺の迎講の起源説話である。円成寺の迎講は中将姫と直接関わることはないと思うが、中将姫説話が浄土教文化の多様な展開の中で独自な位置を占めることは確かであり、その説話が観無量寿経の韋提希婦人の説話と共通する話型構造を有することを確認した。それは中将姫説話の独自性の由来を説明するものであるとともに、さまざまな迎講の原点となるものであると思う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 日向一雅: "中将姫説話覚書" 明治大学人文科学研究所紀要. 39. 333-344 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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