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1996 年度 実績報告書

大友関係軍記の伝本研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610439
研究機関茨城女子短期大学

研究代表者

武田 昌憲  茨城女子短期大学, 文学科, 助教授 (00221375)

キーワード大友記 / 九州治乱記 / 別本大友記 / 大友興廃記 / 大友宗麟 / 戦国軍記
研究概要

1.大友記の伝本系統を整理し、諸本分類をA類(序を有するもの)、B類(序のないもの)に分け、以下、下位分類した。群書類徒本はよく引用されるが誤脱字が多く、引用に不適。目下のところ、A類の神宮文庫本が良本と思われる。大友記に別所記がつくものがあるが(2本)、現在両書に分かれている彰考館本がその祖本であることがわかり別所記の系統研究にも一石を投じた。以上は茨城女子短期大学紀要24にまとめて発表した。なお、同紀要23にも正編が載る。
2.別本大友記(大分県立図書館蔵)の翻刻(後半)は、前年度に引き続いてでき、公刊(古典遺産47)した。
大友興廃記22巻は、その序から、成立時期・著者がわかっている大友関係軍記では数少ない作品の1つである。諸本は全て写本で今年度の調査の眼目の1つ。大分県立図書館(硯田叢史)、鹿児島大図書館、鶴舞図書館、国会図書館、つくば大図書館、今治河野美術館等直接覧読できたが、大友記のように大きな差異はみられなかった。努力の割には成果は少なかったが、大友興廃記が大友関係軍記の決定稿として諸国で高く評価・書写されていたことがわかった。なお、この増補版の増補大友興廃記(44巻)がある(複数箇所所蔵)、未完成ともいえる内容であるが、引き続き調査が必要である。
4.大友宗麟の悪行記事は太平記の文学的影響がある(特に大友記)宗麟の寺社破却・焼亡に関する虚実がよく話題になるが、一考を要する。また宗麟のキリシタン記事は、作品成立の時代が下るにつれて薄れてゆく。「切支丹」性の稀薄化があることから逆に、他の作品(大友関係)の成立時期の示標ともなる。
5.研究成果の一部を「戦国軍記事典」(平9.2月刊.和泉書院.文部省出版助成金)共著)に盛り込むことができたのは収獲であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 武田 昌憲: "大分県立大分図書館蔵・別本『大友記』翻刻(後)" 古典遺産. 47. 25-50 (1996)

  • [文献書誌] 武田 昌憲: "続『大友記』の写本考" 茨城女子短期大学紀要. 24. 33-41 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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