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1996 年度 実績報告書

清朝における科挙制度と文学の関係についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610449
研究機関鹿児島大学

研究代表者

高津 孝  鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (70206770)

キーワード科挙 / 試帖詩 / 清朝
研究概要

中国において隋朝に始まり清朝まで続いた官吏登用試験の科挙は、時代によって差はあるが、詩や文章などの文学作品をその試験科目としており、文学との関わりは深い。科挙制度によって生み出される科挙官僚こそが、宋代以降、分化の中心的担い手として活躍し、文学を生み出す母体となった。ここには制度と文学との相互関係が見られる。本研究は、これまでこの分野における研究成果を踏まえ、清朝における科挙制度と文学との関係について解明することを目的とする。
平成7年度は、書誌学的にアプローチとして、これまでに充分に調査の行われてこなかった清朝における試帖詩の総集や科挙の受験参考書について、清朝の図書を豊富に所蔵する図書館を訪ね、科挙関係書籍について調査を行った。平成8年度は、それら資料の分析研究を行い、科挙における試帖詩の復活とその清朝の文化に対する影響について分析を行い、その研究結果を論文として公表した。本研究によって、以下の点があきらかになった。
科挙に詩が課されるようになったのは、唐朝の玄宗の開元年間(713-741)からであり、北宋後期に一時科挙の試験科目からはずされたが、南宋末まで、一貫して用いられた。この詩帖詩は、元朝、明朝では用いられず、清朝になって乾隆22年(1757)に480年ぶりに再び科挙の試験科目となった。その理由は、高級官僚に文学的才能を要求する清朝の方針である。試帖詩が、清朝になって復活すると、社会的な波紋を呼び、すぐに受験対策としての参考書が数多く出版された。北京で出版された琉球人の試帖詩を集めた『琉球詩課』もそうした書物の一つであり、科挙制度の東アジアへの影響を表すものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 高津孝: "薩摩の漢学" 新しい漢文教育. 21. 56-61 (1995)

  • [文献書誌] 高津孝: "琉球詩課と試帖詩" 鹿大史学. 43. 1-14 (1996)

  • [文献書誌] 高津孝: "中国的歴史与故事的距離" 漢学研究. 1. 473-481 (1996)

  • [文献書誌] 榮野川敦・高津孝: "琉球板『論語集註』について" 汲古. 30. 37-42 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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