17世紀から20世紀の英米における科学詩のアンソロジーを作り上げることが目標である。これまでのこの種の研究には一貫した原理が著しく欠如していたと思われる。このような欠陥を避けるべくクロノロジカルな配列ではなく、「主題別」アンソロジーを試みた。そして反科学のテクストのみならず科学礼讃の作品をも取り入れ、さらに、これまで不当に閑却されてきた「科学者」自身の書いた「作品」をも含める。そうすることで、17世紀から今日にいたるまでの科学詩とそれを生み出した現場の科学的世界観とのダイナミックな関係を通時的・共時的に把握できる。 (1)上記の計画を記した手紙を国際的雑誌Nature(Summer 1995)に載せ、世界各国で活躍している科学者・研究者に協力を依頼した。その結果、インターネット(E-mail)他を通じて数十名の科学者から意見および彼らの詩が送られてきた。(英国の代表的生物学者John Maynard SmithやRichard Dawkinsらの作品も含まれている)。我々はこの計画のためにWorld Wide Web Pageを作成し引き続き世界の科学者からの「作品」を待っている。 (2)CD-ROM(但し予算の都合によりコンパクト版を使用)等を利用しすでに50000語以上におよぶ作品をコンピュータに入力、データ化した。この作業も引き続き行う。 (3)我々の成果に対しロンドンに本社を持つHarper Collins社が興味を示しており、現在具体的な資料を送り出版の可能性を打診している。
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