研究概要 |
この研究では、パーソナル・コンピュータ(以下パソコンと略す)を利用して、今日までCp (Corpus Christi College, Cambridge, 61), Cl (Pierpont Morgan Library, New York, M 817), J (St. John's College, Cambridge, L. 1)の3つの写本に基づいて数多く出版されたTroilus and Criseyde諸刊本の中で、よく利用されてきたBenson版(The Riverside Chaucer (Boston : Houghton Mifflin, 1987) ), Robinson版(The Works of Geoffrey Chaucer (Boston : Houghton Mifflin, 1957, 1961) ), Root版(The Book of Troilus and Criseyde (Princeton : Princeton UP, 1926) ), Windeatt版(Troilus and Criseyde : A new edition of 'The Book of Troilus' (London & New York : Longman, 1984) )のテクスト比較を実践した。 4つのテクストの顕著な特徴をパソコンによって包括的に把握することを可能にするために、まず最新のBenson版テクストを基準にした各行が対応しているテクストを作成した。その際、用いた手順は実績報告書(冊子)の序文(英文)に述べたとおりである。最終的に、4つのテクストを行単位に出力し、一目で単語が共通するところと違うところが把握できるようなリストを作成した。添付した実績報告書(冊子)(A Comprehensive Textual Comparison of Troilus and Criseyde)の本文がそれである。これは2つの章から成り立ち、Part I ("Lines with Different Word Forms")は単語の綴字の異同を一目で把握可能にするもので、Part II ("Word Form Correspondence Index")は対応する単語を容易にチェックすることができるインデックスである。本書による研究成果は大学研究紀要などの研究機関紙に発表する予定である。
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