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1996 年度 研究成果報告書概要

ドイツ近代自然抒情詩による動植物の形象に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07610504
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 独語・独文学
研究機関明治大学

研究代表者

神品 芳夫  明治大学, 文学部, 教授 (50012282)

研究期間 (年度) 1995 – 1996
キーワード動植物の形象 / ドイツ自然抒情詩 / 自然観 / 国内亡命
研究概要

1)データベース「ドイツ近代詩にあらわれる動植物のインデックス」を作成した。調査の対象としたのは、二十世紀以前の詩人からゲーテ、へルダーリン、アイヒェンドルフ、ドロステ、シュトルムの5人、二十世紀の詩人からレルケ、レ-マン、アイヒ、バッハマン、ツェラーン、フ-へル、ボブロフスキーの7人である。このインデックスにより、どの動植物がどの詩人に好んで扱われているか、またどれがどの詩に出てくるか、などを調べることができる。
2)上記インデックスにもとづく調査研究の成果は論文「ドイツの近代詩における動植物のあらわれ」にまとめた。ドイツの近代詩人はおしなべて自然と深いつながりをもっているが、ゲーテやへルダーリンなど古典期の詩人たちは、神の創造した自然を崇拝する気持ちがつよく、それを表現するために詩のなかに登場する動植物は、古典古代から受け継がれたごく限られた種類のものだった。女性詩人ドロステは、身近にある動植物を観察し、それを詩のなかで記述するというかたちで自然を詩のなかに取り込んだ最初の詩人である。二十世紀になってレルケから姶まるドイツ自然抒情詩派は、ドロステの詩精神を受け継ぎ、動植物の精細な観察を基盤とする詩作に徹する。そのうえでレルケやレ-マンはナチ時代に国内亡命の立場をとりつつ、ナチズムへの反感をカモフラージュして表現するのに活用した。フ-へルは故郷ブランデンブルクの自然を軸としながら、異郷の自然に漂泊の身を嘆き、ボブロフスキーは彼のいわゆるサルマチアの自然を描き出すことにより、この地域におけるドイツ人の過去の罪過をあぶり出している。しかしバッハマンとツェラーンはこの系譜には属さず、自然の扱いに関する限り、へルダーリンら古典期の詩人のうたいかたに近いことが明らかになった。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 神品芳夫: "塚越敏著「リルケとヴァレリー」書評" 「ドイツ文学」 (日本独文学会). 96. 147-149 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 神品芳夫: "ドイツ自然抒情詩の系譜について(シンポジウム報告)" 「ドイツ文学」 (日本独文学会). 97. 220 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 神品芳夫: "Die Flusse und der Strom bei Johannes Bobrowski" 論文集"Sprache,Literatur und Kommunikation in Kulturellen Wandel". 同学社刊. 493-505 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 神品芳夫: "Die Poetik der Epiphanie bei Rainer Maria Rilke" "Studia austriaca" Milano. 5. 97-110 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 神品芳夫: "リトアニアの旅-ボブロフスキーの詩跡をたずねて(1)-" 「文学空間」(20世紀文学研究会). 4巻1号. 67-84 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 神品芳夫: "リトアニアの旅-ボブフロスキーの詩跡をたずねて(2)-" 「文学空間」(20世紀文学研究会). 4巻2号. 162-178 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Koshina, Yoshio: "'Rilke and Valery' von Satoshi Tsukakoshi (bookreview)" "Doitsu Bungaku". No.96. 147-149 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Koshina, Yoshio: "About the german liric poets of Nature." "Doitsu Bungaku". No.97. 220 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Koshina, Yoshio: "Die flusse und der Strom bei Johannes Bobrowski." "Sprache, Literatur und Kommunikation im kulturellen Wandel" (Dogakusha). 493-505 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Koshina, Yoshio: "Die Poetik der Epiphanie bei Rainer Maria Rilke." "Studia austriaca"Milano. No.5. 97-110 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Koshina, Yoshio: "Journey to Lithuania ---in reseach of the poetical traces of Johannes Bobrowski (1) ---" "Bungaku Kukan" Bd.4, No.1. 6784 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Koshina, Yoshio: "Journey to Lithuania ---in reseach od the poetical traces of Johannes Bobrowski (2) ---" "Bungaku Kukan" Bd.4, No.1. 162-178 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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