本年度は主としてVimalasu^^-ri作PaumacariyaにはじまるJaina-Ra^^-ma^^-yanaの内容構成について考察した。Paumacariyaが婆羅内教系の大叙事詩Va^^-lmi^^-ki-Ra^^-ma^^-yanaを下敷としていること自體は疑ひない。またValmi^^-ki-Ra^^-ma^^-yanaのAyodhya^^-ka^^-ndaからYuddhaka^^-nda至るRa^^-ma王子の事蹟をVimalasu^^-riがかなり忠実に辿っていることも確かである。しかしVimalasu^^-riの意圖したことはValnu^^-ki叙事詩の単なるプラークリフト化ではない。Va^^-lmi^^-ki叙事詩はPaumocariyaに一つの骨格を興へているにすぎない。Vimalasu^^-riはこの骨格にさまざまなJaina系説話やJaino的聖人語を自由に盛りこみ、さらにVa^^-lmik^^-i-Ra^^-ma^^-ya^^-naにはまったく見られないRa^^-vanaとHanu^^-matの家系についてのきはめて詳細な叙述をRa^^-ma物語の前に据えている。一方でVimalasu^^-riは作中の個々の場合面を独自のKa^^-uya的技巧を驅馳して描写することにも努めている。結果としてVa^^-lmi^^-ki-Ra^^-ma^^-yanaの主要部分に対応するのは全篇の半分以下となっている。Paumacariya以後のJaina-Ra^^-ma^^-yanaについては、いまだに充分に調査を進めることができずにいるが、事情はPaumacariyaの場合と大同小異であろうと推測される。 上記の研究成果および平成の年度までに行ったPaumacariyaの言語についての研究の成果を論文の形でまとめることはいまだなしえずにいる。次の機会を待つことにしたい。
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