本研究においては、Jaina-Ramayanaの中で最古の作品であるVimalasuriのPaumacariyaの内容構成を吟味し、これがValmikiのRamayanaを下敷としそれにさまざまなジャイナ教的潤色と変改を施してなったものであることを確認した。 さらに、Paumacariyaの中で、轉輪王Harisenaの事蹟を語る部分がGunadhyaの大説話集Bnhatkathaの影響下に成立したものであることを見出した。これはBnhatkathaの発展を考へる上で重要な知見であり、研究報告ではこのHarisenacariyaの成立について論じた。 Paumacariyaで用ひられてゐるプラークリット語の諸特徴について詳しい調査を行ったが、成果を発表することはいまだできないままでゐる。
|