昨年度に引き続き朝鮮本の語学的・書誌学的研究を行った。調査を行った文庫や図書館は、内閣文庫、大阪府立図書館、天理図書館、駒澤大学図書館、東京大学図書館及文学部である。すべてで五百部近い朝鮮本を調査し、弊学所蔵及び今年度補助金にて購入の書誌学関係書籍を参考にして版種を決定した。従来朝鮮の書誌学では刊者・刊地・刊年に留意されていないが、筆者は刻工名のあるものはそれによって、ないものは種々冊技目録によって刊地刊年の決定を試みた。その結果は筆者が現在行いつつある日本現在朝鮮本總目録にデータ入力しつつある。従来及び今回の補助金による研究で得られた成果を中心として、平成8年10月5日・6日に富山大学で開催された朝鮮学會全国大会に於いて、「朝鮮書誌学の諸問題」を講演した。
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