研究概要 |
1.奄美大島佐仁方言のアクセント体系を調査し,これが「3型アクセント」と見られることを明らかにした。従来は「一型寸前のアクセント」とされていたものである。この分析と資料は論文にした(再校済み)。 2.佐仁方言の分析から,かつて調査した笠利町諸方言のデータにも確信がもてたので,その26地点×300余語の資料集も公にした(印刷中)。従来「一型アクセント」とされていた報告を大幅に修正する結果になった。 3.奄美大島芦花部方言のアクセント体系も調査し,「多型アクセント」であることを明らかにした。ほとんどがN型アクセントをもつ琉球諸方言の中で,明瞭な多型アクセントを確認した意味は大きい。現在論文を執筆中。 4.喜界島方言は予定の地点で用言を中心に前年度の補充調査をし,その結果の入力も済ませた。この結果も公表の予定。 5.徳之島方言は北西部を重点に20地点近くを調査し,以前行なった調査の確認・補訂・補充を行なった。これでかなり確実な資料が得られた。結果の入力も完了した。来年度,研究費が得られれば,残りの地点の調査を行ない,今年度分と合わせて論文にまとめる予定。 6.徳之島浅間方言の記述調査も継続し,新たに8拍までの語彙を補充した。現在,入力と分析を進めている。 7.加計呂麻島芝方言でも継続調査を行なった。これは一部入力を済ませた。 8.全体に予定通りの調査ができ,十分の成果を上げることができた。
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