本年度は、次年度に実施予定のアンケート調査/面接調査のための準備活動、とりわけ調査質問項目の作成が中心課題であった。家庭の中に複数の母語をかかえる国際結婚家庭では一体どのような言語使用がみられるのか、その実態をできるだけ詳細にかつ正確に把握できるような調査紙を用意すべく、質問項目の慎重な検討、改訂を重ねた。最終的に「調査紙第14版」を以て完成版としたが、多言語が使用される対象家庭の言語環境を考慮して、調査紙には日本語版と英語版の2種類を用意した。質問項目の概要は次の通り: 1.家庭の背景(Q1〜Q2)[家族構成員の性別、年齢、国籍、母語等の基本的データ] 2.家族の言語状況:(1)家族構成員間における言語使用Q3〜Q4)[家族の者の間で用いる言語に関するデータ]/(2)遊びにおける言語使用(Q5)[遊び友だちの使用言語に関するデータ]/(3)学校の授業で用いられている言語(Q6)[子どもの通う学校の種類と使用される言語に関するデータ]/(4)居住地(Q7〜Q9)[居住地域の言語環境に関するデータ] 3.バイリンガリズムに対する態度と認識(Q10〜Q14)[親の持つバイリンガリズム観および国際結婚家庭が直面する問題に関するデータ] 4.バイリンガリズムの奨励(Q15)[バイリンガル育成に対する姿勢に関するデータ] また調査対象家庭については、国際結婚家庭に関連の深いいくつかの組織(国際結婚を考える会/The Association of Foreign Wives of Japanese/全国語学教育学会全国バイリンガルリズム研究部会)の協力を得ることができたため、当初の予定よりも多くの家庭に調査紙を配布することができるものと思われる。
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