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1996 年度 実績報告書

〈現代児童文学〉の方法-理論的確立と物語世界の創造

研究課題

研究課題/領域番号 07610525
研究機関千葉大学

研究代表者

佐藤 宗子  千葉大学, 教育学部, 助教授 (40162490)

キーワード現代児童文学 / 童話伝統批判 / 日本児童文学 / リアリズム / ファンタジ-
研究概要

1(1)『日本児童文学』について、1961-64年の4年間に刊行された号を逐次調査したところ、「リアリズム」と「ファンタジ-」の二つのジャンル意識が明確化する過程がみてとれた。また全体的に「フィクション」への意識が強調されている点も注目される。なお下記の結果も得られた。
(2)マス・メディアの発達に伴い、活字メディア以外のテレビ番組、週刊マンガ誌が生活に浸透してきた。
(3)高山毅の死後、神宮輝夫・横谷輝ら若手評論家が台頭、「リアリズム」への言及をなすが、その一方西本鶏介の「アンチ・リアリズム」論も生まれ、「リアリズム」と「ロマンティシズム」の関係についても意見の対立を見た。
(4)スミス『児童文学論』の翻訳が影響を与える一方、神宮や猪熊葉子ら英米児童文学の専門家はその受容に慎重な姿勢を見せ、一般の動向と専門家との考え方の乖離を思わせる。
2(1)この時期、大人と子どもの文化状況は予想以上に共有されていた。特に映画・テレビといった映像メディアによる流行の創出などでこの点が見られる。
(2)「リアリズム」をめぐる議論の背景には、一般文学での批評の動向が大きく存することがうかがえる。
(3)いずれにせよ今後一層、同時代の一般の文化状況、文芸の動きを把握する必要性が確認された。
3 手元にコピー等のかたちで収集できた同人誌やこの時期の創作についても順次調査を進めており、そこにみられるエンターテインメント分野を含めた一般文学や時代状況への言及について、今後裏付け作業をしつつ総合的に方法の検証をはかりたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐藤宗子: "「リアリズム」と「ファンタジ-」の分立-一九六一〜六四年の『日本児童文学』を読む-" 千葉大学教育学部研究紀要. 45巻-II(予定). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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