本年度は、昨年四月に発足した新国会に中に設置された憲法草案作成の各種委員会によって憲法草案が完成し、新国会に提出され、11月に可決した。ところが憲法裁判所が部分的に無効の判決をしたため、再度国会で審議がなされて、12月に再提出可決された。最終的には1997年2月の国会において正式に大統領により報告され、公布される。この一連の憲法制定の経過を追跡するのが本年度の研究の主たる作業であった。そして、さらに作成された草案の内容と最終的に承認された新憲法の内容との比較検討も重要な作業であった。それに加えて、草案作成作業にあたった、国会内に設置された国会議員で構成する各種委員会の活動状況をみることも研究の対象であった。この研究には国会で発行されてきたconstitutional talkという新聞がきわめて参考となった。
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